Negativedge

はてなグループ難民

『合成怪物の逆襲』レイモンド・F・ジョーンズ

ゴセシケ曰く。

合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)

合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)

ストーリー

自動車事故にあい死亡してしまったジョンとマーサ。その脳は摘出されて人工頭脳の一部となった。マーサの兄デミング博士は妹のマーサとその婚約者のジョンの脳を助けるべく、人間の脳を使った人工頭脳の使用の中止を委員会に訴えるが議長の命令で殺されてしまう。
デミングが殺されたことを知らないジョンはいつまでたっても連絡が来ないことにしびれを切らして、人工頭脳の内部から自分の使っていた技術ロボを操り、脳波で操れる生物、合成神経細胞群塊(ゴセシケ)を創造する。
マーサと二人でゴセシケを使いデミング博士の家まで行くが、そこで博士の妻キャサリンからデミング博士が死亡していたことを知る。2人は博士が死の直前キャサリンに送っておいた告発文を新聞社に送るように言うが、そのことを記事にしようとした記者はジョンとマーサと同じく黄色い車に殺されてしまう。
謀殺されたことを知ったマーサとジョンは人工頭脳センターにもどりデミングの脳を探す。

感想

バーナード嬢に影響されて読んでみました!(バァァァァン)
※たまにこういうことを恥ずかしげもなく言う人がいる……


話としては割と面白いのだが、どうもこれ抄訳みたいで、本来長編だったものを子供向けにかなり端折っている模様。
内容的には国家のあり方とは、脳と魂の有りどころみたいな話も入ったサスペンスで非常に面白いんだが、これ子供に理解できんの?って疑問も浮かぶわな。はよう完訳版出そうや。
ていうか、人形ゴセシケで外うろついてたふたりが、せっかく脳を人型ゴセシケに移植してもう一度自分の肉体を手に入れられるって状況になったのに、無視して人工頭脳センターの脳と心中した理由がわからんので早く完訳出してほしい。
個人的に日本語で「ゴセシケ」ってなってる「合成神経細胞群塊」が原作ではなんて表記されてるのか気になる。

パソコンもまだろくにできてない時代に電子計算機を飛び越して、人間の脳を使った巨大コンピューターとはよくやるよ……。今だとBMIって言うのか?
それにしても、脳が生きてりゃ人間生きてることになるだろってそんな当たり前のことを知らずにいるのかこの作品のアメリカ国民は……脳は単なる臓器って流石に無理ない?奴ら人間がどこでモノを考えてるのか知らないのか?脳は物を考えるところに非ず?

ゴセシケ

「日本中の少年少女にトラウマを残した」なんて言ってるけど、見た目はそこまで不気味でもないよなぁ
合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)
むしろ可愛くない?
右側の出っ張りは耳です。可愛いでしょ?作中はこの可愛い生き物が酷使されまくってて、太陽光に当てられて皮膚がズブズブになったり野犬に食い殺されたりしてます。ゴセシケちゃん可哀想!
それにしても合成神経細胞群塊(いさいぼうぐんかい)、略してゴセシケって……
ボスケテみたいやなw
ていうか、この漢字の読み一文字目のみを抜き出すって法則の略称ならゴセシケサボグカにならん?

ちなみに本自体は絶版だが図書館にはいくらでもあるので無理して探す必要はない。近くに図書館の無い自治体に住んでる人は……ご愁傷さま。