押切蓮介「ミスミソウ」
- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: Kindle版
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メンチサイドホラーと銘打たれてるけど、「メンチサイド」ってそもそも何?という疑問が浮かぶ
英和で調べても出てこんしさ。メンチとサイドがどうにも「挽肉」のメンチと「側」のサイドに思えて「精神破壊」とはどうにも結びつかずに苦労する。サイドは「ジェノサイド」のサイドかなぁと当たりつけて"menticide"で検索すると一応weblioのが出てくるが
名詞
menticide (countable かつ uncountable; 複数形 menticides)http://ejje.weblio.jp/content/menticide
- brain-washing
brain-washingて。洗脳やん。
men·ti·cide
http://dictionary.reference.com/browse/menticide
[men-tuh-sahyd] Show IPA
noun
the systematic effort to undermine and destroy a person's values and beliefs, as by the use of prolonged interrogation, drugs, torture, etc., and to induce radically different ideas.
長い質問、薬、拷問などを用いてとして、人の価格と信条を徐々にむしばんで、破壊して、急進的に異なる考えを誘導する組織的努力。
これも洗脳と意味だいたい同じね。
ゲームかなんかでは当たり前に使われてる言葉とかなんかねぇ。あの辺の言葉はかなり独特だし
それにしても妙なのは小黒妙子は野崎春花が好きで、サディストの相場晄と春花がくっつくのが嫌だから春花イジメてた云々って話しよね。
大体、そんなら春花が学校来なくなった時点で相場との関係薄れるんだから万々歳のはずなのに、佐山流美使って学校にこさせる様に言ったり。で、最初はイジメっ子のリーダー臭く振舞ってたのに、結局春花とは和解して終わりってのもなんかね……。妙子が春花イジメに加担してないわけじゃないんだよねえ。靴をゴミ捨て場に落としたり荷物落としたりしてるし。
何も知らない状態でミスミソウ読んだときは、純然たるホラーというか、田舎の鬱屈したいじめと、春花の復讐譚としてしか見てなかったが、全部読んだあとに読み直すと色々と腑に落ちない点が浮かんだりする。
野咲家放火のメンバーは
佐山流美、久賀、真宮*1、池川、加藤理佐子、三島
でいいのかな?
あと、押切蓮介の他の作品読んだ後だと、なんか主役はむしろ佐山流美の方じゃねぇのって気が。ほら、でろでろ初期案の流渦あたりと似てるしさ。自伝漫画の自画像とかにも。なんか佐山母が妙に優しかったり、一緒に寝ようとか言ってるシーンがあるあたりも、なんか……。
- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/09/17
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- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2012/10/12
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それにしても、もうちょっとちゃんとした登場人物一覧つけといてくれても良かったんじゃないかと思う。どうも人間多い。特に南先生に詰め寄る親たちが誰の親だっけ?ってなることがまああるんで。
舞台となる学校が大津馬市の大津馬中学校。なんか大津市を想起させる名前ですね。
それにしても南先生は……。何だったのかね?いじめっ子の親をうまく演出するための?イジメにビビって何もしない先生の典型例とも言えるが。結局中学時代のトラウマも克服できてないし、いじめっ子連中に復讐したわけでもないし。中学校のトラウマを塗り替えることも出来なかった。何もできずに死んじゃったね。
- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/03/12
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登場人物
下巻目次を参考に
- 橘吉絵(たちばなよしえ)
- 目が常に充血してるツインテール女。画鋲使って刺すのがメインの攻撃法。復讐鬼野咲の最初の犠牲者。
理佐子と三島を使って春花に灯油をかけさせ、火をつけようとしたところ、覚醒した春花から目の下を刺される。その後隠し持っていたナイフで応戦しようとするも鉄パイプで頭砕かれて死亡。 - 橘父
- 雪の中、娘にビール買いに行かせるような男。吉絵の失踪届提出後、南にも抗議を行なっている。多分、酒買ってくる要員が居なくなったら自分が買いに行くハメになるから娘探してるんでしょうね
南先生をイジメたくなるとか言ってるあたりこの親にしてこの子ありというか - 橘母
- アル中。
- 加藤理佐子(かとうりさこ)
- 野咲家放火にノリノリで参加したけど、その帰り道をビクビクしながら帰ってるところを相場に目撃される。
ヒットマン野咲の2番目の生贄。自分は放火には関係していない、母親に火をつけたのは久賀だと弁解するが、ゴミ捨て場の錆びた包丁で指を切られる。痛がっている間に鉄パイプで頭を殴打され死亡。
- 三島ゆり(みしま)
- 理佐子とつるんでるショートカットの女。吉絵がやられたのにビビってゴミ溜め盆地から逃げようとするところで足の腱を切り裂かれた。その痛みで上にかけていた手を放して盆地に落ち、おいてあった粗大ごみのカドで頭を打って死亡。
理佐子同様放火後はかなりビビっていた。
- 久賀秀利(くがひでとし)
- 金髪ピアスの男子生徒。1話で野咲の机に彫刻刀で文字掘って、廊下に放置したりしてた。野咲母に火をつけた張本人。本気でつける気はなかったらしいが、野咲母が焼け死んだことに関しては特に良心の呵責などは感じていなかった様子。学校の帰りに春花と遭遇し包丁で腹を刺され、次に頬を横一文字に切り裂かれる。春花から逃げる途中で古井戸に落ち、そのまま放置される。最終話で古井戸から遺体があげられているところからすると古井戸で凍死か餓死した模様。
南曰く「色ボケ餓鬼」
- 久賀正江(くがまさえ)
- 久賀母。メガネ。息子が帰って来ないことについて南を問い詰めるが、南に息子は問題児だから2,3日帰ってこなくてもと言われてブチ切れる。
警察署での二度目の問い詰めで錯乱した南に目を潰される。
- 真宮裕明(まみやひろあき)
- ボウガン使って猫やらカラスやら殺してた金髪長髪。2話で校庭にカラスの死骸を埋めていた野咲に矢を放ったりしている。その机に入っていたカラスの死骸も、ボウガンの矢が刺さっていたことからこいつが入れたと思われる。池川と二人で野咲を狩ろうとするが、ナイフで腹切り裂かれて「ちょっとタイム」と言うも手を切られて逃亡。池の氷の上を逃げてる途中、背中にボウガン射たれ、そのまま倒れた拍子に氷を突き破って池の中にダイブ。
「ちょっとタイムっていってんだろーーが!!」
- 池川努(いけがわつとむ)
- 真宮とつるんでるデブメガネ。エアガンの改造が趣味。野咲に惚れてたらしい。野咲に鼻にハサミ突っ込まれてジョキン。その後真宮のボウガンが頭部にカスって頭蓋骨が削れ、そのことで錯乱したのか真宮を野咲と間違えて迫ったところを一蹴され、脳みそ飛び出させて死亡。
- 小黒妙子(おぐろたえこ)
- 金髪ロングヘアーの女。クラスのボス的存在。春花が転入してくる前は佐山をいじめていたらしい。最初期はモロスケバンな見た目だったが後半若干変わってくる。春花の靴やカバンの中身を盆地のゴミ捨て場に捨てたり、橘吉絵に画鋲で刺させたり、佐山に命令して春花の部屋からCD盗ませるなどの行為を行なっている。しかし、春花には佐山と違い直接的な暴力を振るっていない(佐山曰) らしく、そのことから佐山は「小黒が野咲に特別な感情を抱いている」ことを見ぬいたようだ。しかし、佐山が直接的な暴力受ける羽目になったのは不用意に小黒に馴れ馴れしくしたせいとも考えられるし、春花は直接的な暴力を受けてはいないとはいえ、作中見えるだけでも他の連中が勝手に暴走したとは言いがたいいじめが含まれるのでここの判定は微妙なところ。
相場が母親に暴力振るっていたのを知っているらしいが、どこでどうやって知ったのかは不明。
転入してきたばかりの春花に最初に話しかけたりと結構仲良くやっていたことから、春花からは優しい人と判定され、復讐の対象とはならなかった。その後、反旗を翻した佐山流美と戦って死亡。最初に左足を切られ、右目を石でやられて、右手をメッタ刺しにされ、右目を包丁で切られる。最終的に胸刺されて死亡。
- 南京子(みなみきょうこ)
- 大津馬中で唯一残っているクラス3年1組の担任教師。生徒の親に対しては冷静に上から目線で対処していたが、クラスのイジメグループには友達先生として接している。それ以外の生徒には普通に教師と生徒の関係で接していた模様。
警察署で行方不明になった生徒の親から、中学時代にイジメられたことを見ぬかれ生徒を殺したのではないかと疑いを向けられ錯乱。久賀正江の目を潰し、橘父の下唇を噛み切って外に飛び出したところでずっこける。すぐそこに迫っていた除雪車の歯車に巻き込まれ血肉をまき散らして死亡。
- 佐山流美(さやまるみ)
- 春花が転入してくる前まで妙子たちにイジメられていた生徒。春花が不登校になった後妙子の命令で野咲家を訪問したり、ロッカーに閉じ込められたり、長い髪を妙子に切られていた。髪切られた際、野咲をどうしたいかと妙子に聞かれて「ぶっ殺したい」と呟いたせいで、久賀に炊きつけられ野咲家に火をつける羽目になる。放火の際は野咲母が火だるまになったあと残りの野咲父と祥子を家に閉じ込め、火をつけた。
母親は結構娘を気にかけているようだが、小黒に切られた髪を見て何も言わなかったのかと疑問が浮かぶ
事件後登校して来た春花に「バーベキューの焼き具合はどうだったの?」と聞いて凄まじい表情で睨まれたことから、自分たちの犯行を知っているのではないかと恐れを抱く。最終的に相場の盾にされ、春花に首を刺されて死亡。
獲物は出刃包丁
- 相場晄(あいばみつる)
- 殴ることが愛情だと思っているサディスト。春花がイジメられはじめてから出会ったかのような描写がされているが、実際は相場が春花と仲良くなったあたりから妙子からのイジメが始まっている。というわけで、冒頭のミスミソウ撮影中の相場と靴取られて上履きで帰っている春花の邂逅の部分は別に出会いの場面とかではない。
父親が母親に暴力振るってるのを愛情だと教えられるも、13の時に暴力を振るっている父親の背中にカッターで傷を追わせた。その後父親が出ていったことについて母親に責められた際に性癖が顕現。殴ることが愛情だと思い込む。なお祖母に対して八つ当たりで殴ったりもしている。
写真が趣味でいろいろ撮っているが、野咲家放火の際に燃えている家の中に入り、黒焦げの父親と祥子の写真を撮っていた。よくあんな状態で撮る気になったもんだ。
最終的に写真のことがバレて春花に刺されそうになるも佐山を盾にして凌ぐ。その後何やらよくわからん理屈吐いて血みどろの春花を写真に撮ろうとするがボウガンでカメラのレンズごと打ち抜かれた。
- 相場紀子(あいばのりこ)
- 晄の母親。夫から暴力を受けていたが、夫が出て行ってしまうと夫の暴力を止めた晄を責め始め、今度は息子から殴られるようになる。天然誘い受け。
- 野咲祥子
- しょーちゃん。春花の妹。家を焼かれて全身大やけどのところを相場に助けられる。以降病院のベッドでずっと寝たきり。ごくたまに霊体が出てきたりする。
佐山が病院で春花殺そうとした時ベッドから起き上がっていた。
祖父が東京に戻る際になんにも触れてなかったことから死亡した模様
東京の小学校ではイジメられていた
- 野崎春花
- 主人公。
彼女が大津馬市に引っ越してきたことから物語は始まる。作品の最初の方ではいじめられる理由を「一緒に卒業したくないから」と思っていたようだが、後半では小黒が恋慕している相場をとったからと認識している。完全版の書き下ろしではこの件について結構早い段階から勘違いしていたと思われる描写がある。
押切作品に登場するヒロインの例に漏れず身体能力が高い。前半はいじめに耐えていただけだったが、家族ごと家を燃やされ、それをネタにからかわれたり、火を付けられそうになったことからブチ切れて放火に関わった連中を付け狙うヒットマンと化す(ただし元凶の小黒は除く)。
釘、錆びた包丁、出刃包丁、池川のナイフ、真宮のボウガンなどを自分の手足のように自在に扱う事ができる
- 作者: 押切蓮介
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- 作者: 押切蓮介
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*1:なんかスウィート・ホームの間宮を思い出す名前だなぁ