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「南Q阿伝」2巻


最初この表紙見た時、ああーこの作者またなんか怪物王女と似たようなの描いてるのかともういいよ怪物王女は。と思いましたが、あの南久阿がメインの話と聞いて評価一転。興味を持ち始めましたとさ。


南久阿といえば「怪物王女」で蜘蛛型の神族として描かれてたキャラ。頭の上から蜘蛛の足をにょきにょきと生やして露骨な蜘蛛アピールをしていた。
怪物王女」での初登場は7巻。姫からは相互不干渉と認定されるもののリザと怜理の潔癖症のせいで結局対立する。初登場回で一度は怜理とリザの二人にやられ、次に「神罰」として姫たちを2千年前に飛ばすが結局姫にやられる。そこまであくどいことしてないのにひどいよね。個人的には南久阿の下僕グモにも苦戦してた二人がどうやって南久阿仕留めたのか、謎ではある。この時完璧にやられたのか、その後の登場は11巻まで待つことになる。その時は利害の一致のため一時的に協力したあと正式に祠建てられて味方になるとか言う展開に。
こうやって再登場させて味方につけるくらいなら初めから対立させなければいいのにとも思いますがね。一旦敵として登場させて人気あったら再登場させようとしてたんだろうか。スティーブン・キングの「it」にも登場するクトゥルー神話の神アトクラ=ナクアが元ネタらしいがいまいち蜘蛛って点以外には共通点なさそう。まあ、怪物王女の敵モンスターって大概そんなもんだよね*1
この時はブレザー式の制服でスカートとブラウスの分離式制服で、蜘蛛なせいか逆さまになることが多くその時には盛大にスカートの中晒していたようだがコマ内には全く描写されず令理の無駄なパンモロに比べると鉄壁とも言える状態だった。が、「南Q阿伝」では割と普通に見えることが多く、ありがたいのかありがたくないのか。作者的にセーラー服にパンチラは避けては通れない性癖なんだろうか。あと獣人も。

南Q阿伝(1) (シリウスコミックス)

南Q阿伝(1) (シリウスコミックス)


絵も怪物王女と比べると多少は進化してますね。
いやほんと酷かったよね怪物王女。コマというか絵の間のつながりのよくわからないトレスしたような絵の連続で動きが殆ど無い。あれだ。姫が話の終わり付近で見開きで武器構えるとそれまで劣勢だったのにいきなり一撃入ったり、次のページでは敵が倒されてたりとか。話も一話一話の独立性が強すぎてというか、本当にそれだけでひとつの話として完結しそうな話を決着付けてんのかついてないのかよくわからない状態で終わらせて、どうにも消化不良というか。壊れた屋敷も次の回では完全に直ってたり、いなくなった屋敷の雲が次の回では存在してたり。もうあれよね、姫以外の登場人物は毎回使い捨てのオムニバス形式にしちゃえばよかったのに(みどろみたいに)中途半端につながったりしてるから。どうにも継ぎ接ぎ感が。それでも謎の提示の仕方が上手いのか、どうにも続きが気になってしまう漫画ではあったが。


南Q阿伝は一応これらは緩和されてて普通の漫画並にはなっているとは思う。コマ間のちぐはぐさもそれほどないし。
南久阿の攻撃方法というか蜘蛛の神という造形やら性格やらあの蜘蛛の部下がいるとかいうのはそのまんまだが、南久阿を祀る神社が存在している。「怪物王女」の南久阿は住処追われて学校に棲み付いて餌とってたとかいう設定だった気がするので、無理やり時系列に当てはめると「怪物王女」よりも前の話と考えるのが妥当かなぁ。キャラだけ持ってきた全然別の話と考えてるけど。まあ、南久阿の属性を一番うまく描ける世界観にはなっている。

*1:見た目はイースの大いなる種族みたいな敵も出たが、結局単なるモンスターとしてしか描かれていなかったり